株式会社INKサポート

高齢者住宅の開発・運営のコンサルティング

2014.06.27

~ある介護施設経営者が語る、介護の現状~ <3/4>

株式会社INKサポートでは、介護施設を経営し、自らも介護スタッフとして働いているI氏に、介護現場のレポートをお願いいたしました。介護施設の職員が直面する老人介護の実態、介護業界における構造的な問題などが、現場からの視点で直截に語られています。

レポートは、「介護の現実~ある介護施設経営者が語る、介護の現状~」と題し、4回に分けて掲載していきます。
介護現場の実情がわかるレポートとなっております。ご一読下さい。

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     「介護の現実」~ある介護施設経営者が語る、介護の現状~ <3/4>

『親世代の介護が必要となってくる(要介護者となる)年齢時期は、介護家族の子供が高校生や大学生の場合が多く、子供の学費等で大きな負担がかかる中で、金銭的な余裕などなく、介護サービスを諦める方も少なくないだろう。

たとえ介護サービスを受けたとしても、金銭的にはかなり厳しいのが現状ではないかと思う。

さまざまな負担が大きければ、介護家族としてはなおさら施設側に対して要望や願望、時には苦情などもエスカレートしてくるケースが少なくない。

家族からすれば、要介護者への先が見えない負担が増す中で、高額な金銭を施設に支払っているのだから当然の要望だと思われるのも理解できるのだが、施設側からすればとても苦しい限りで、家族の思いと施設の現状が一致していないのが実情である。

たとえば、自宅では便を始末するのが大変なので、施設で便を済ませるようにコントロールして欲しい、食事の支度や介助が大変だからパジャマに着替えさせて寝るだけにして帰して欲しい、お金を払っているのだからお風呂には毎日入れて欲しい、施設で利用者様が周りの利用者様に迷惑をかけるような行動をしたとしても、こちらはお金を払っているのだから知らないなど数多くの要望や苦情などを訴えて来る介護家族に対する対応等に介護施設職員の負担は増すばかりだ。

介護職員も、勤続年数が長い短いに限らず前向きに頑張っている職員が数多くいる。
しかし、現在の介護職員の給料面から見ると、介護福祉士(国家試験)を取得して月に5回以上の夜勤をこなし、肉体的にも精神的にも疲労する中で頑張った結果の介護福祉士職員の平均的年収は、全国的に見ても300万円前後というのが現実で、ヘルパー2級クラスだと280万円前後が一般的である。

なぜそのような待遇になってしまうのか。

施設側も出来る限る給与を支払いたいと思っている。
だが、デイサービスや小規模多機能のような通いにしても、利用者1名当たりに対して施設側が得る収入は、介護度にもよるが、月に平均5万円前後~30万円前後の収入しかないのである。
月平均15万円だとして10人受け入れても月に150万円程度の収入だ。

幼稚園や学校とは違い、利用者様の数に対して職員の数は必要となる。
10人の利用者様を受け入れるとしたら最低1日3名程度の職員が必要となるだろう。
1日の中で、入浴したり排泄介助をしたり食事介助をしたり行う業務が膨大であり、それだけ目が離せないのである。

職員1日当たり1万円の経費が掛かるとして3名で3万円、月に換算すると90万円程度の人件費がかかるわけであり、残りの60万円で家賃や借入金の返済、光熱費及び食費等を支払っていくのだから大きな借り入れをしている経営者に余裕はなく、給料を上げたくても上げられないのだ。』

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この記事は毎週金曜日に更新します。

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